上位表示の「検索連動型広告」の非常に怖いお話
今や誰もがパソコンやスマートフォンを利用して、ある程度のことは調べられる時代となった。
今回は検索に関連したお話なのである。
YahooやGoogleなどの大手インターネット検索エンジンでは、検索したキーワードに対して連動した「検索連動型広告」を上位に表示しているのだが、この上位広告枠を逆手に利用した「検索連動型広告詐欺」で探偵業者の男3人が逮捕されたというのだ。
2017年5月14日 時事ドットコム
「検索連動型広告」に注意=上位表示、公的機関と誤解-ワンクリック詐欺で二次被害
アダルトサイトで高額な請求をされるなどしたワンクリック詐欺の被害者が、対処方法をインターネットで検索した結果、表示された業者を公的機関と誤解して現金をだまし取られる二次被害が増えている。検索キーワードに応じた内容の広告が上位に表示される「検索連動型広告」の普及が背景にあり、警察などは注意を呼び掛けている。
検索エンジンで「消費者センター」「アダルトサイト被害対策」などを調べると、探偵業者や司法書士などの広告が検索結果の上位に表示される。独立行政法人国民生活センターは昨年12月、こうした業者などへの注意を呼び掛けた。「消費者センターと思って依頼したが探偵業者だった」「依頼の1時間後にキャンセルを申し出たら、高額な解約手数料を請求された」といったトラブルが相次いでいるという。
京都府警サイバー犯罪対策課は今年4月、アダルトサイトでワンクリック詐欺に遭った会社員から現金をだまし取ったとして、詐欺容疑で探偵業の男3人を逮捕した。男らは「こちらで全て解決します」と会社員に告げ、サイトの運営業者と交渉するよう装っていた。
未成年者がこうした二次被害に遭うケースもあり、府警は高校生約230人を対象にアンケートを実施。ワンクリック詐欺の画面表示などがあったらどう対処するかという質問に、多くは「無視する」と回答したが、11%は「ネットで対処法を検索する」と答えた。「検索エンジンを使う際、上位何サイトまでアクセスするか」との問いには、54%が「5サイトまで」と回答した。
同課の吉岡竜之介ネットトラブル対策係長は「被害者が公的な救済窓口にたどり着く前に探偵業者などのサイトにアクセスし、二次被害に遭ってしまう」と指摘。府警は検索サービス大手のグーグルとヤフーに、悪質なサイトが表示されないよう改善を求めるとともに、一般向けの対策講座を開くなど注意を呼び掛けている。
ワンクリック詐欺被害者を狙った二重詐欺
今回の「検索連動型広告詐欺」のケースでは、アダルトサイトのワンクリック詐欺被害者がターゲットとなっているのだが、その理由は意外と単純だ。
ほとんどの人はトラブルに遭っている期間、通常と同様の冷静な判断は出来ない。
その隙間に蜘蛛の糸とも言える「希望の光」が差し込んだら、皆さんはどのようになるだろう。
大半の人達は、その蜘蛛の糸が助かる道しるべだと錯覚し、必死に手を伸ばしてしまうのではないだろうか。
ほとんどの詐欺行為は、そんな被害者心理を巧みに利用しているのだ。
例えば結婚詐欺では、時間をかけて信用を築いてから結婚を前提に交際し、心底惚れさせた相手に対して「実は多額の負債があるから今すぐには結婚できない」や、「トラブルに遭って至急高額なお金を支払わなければならなくなってしまった」など、自分の弱みとなる出来事という名の真実に見せかけた嘘を打ち明ける。
そして結婚相手と負の部分を共有するという固い絆を偽装し、何度かに分けながら高額な金銭を盗み取るというものが多い。
出会い系詐欺も結婚詐欺と同様なのだが、些細なことから知り合った相手と時間をかけながら信用を築いていく。
そして、交際を開始した後に「連帯保証人になっている人が行方不明になったので、私がその人の債務を返済しなければならなくなった」や、「難病と診断され、入院・手術しなければ完治しないが高額な医療費を支払うことが出来ない」などの真実に見せかけた嘘を打ち明けて、何度かに分けながら高額なお金を支払わせるというものが多い。
人とは非日常的なトラブルに巻き込まれてしまうと、正常な判断をしずらくなってしまう。
実際、過去には犯人と監禁されていた被害者が、長期間に渡る共同生活の中で恋愛感情が芽生え、交際していたなんていうケースもあるくらいだ。
2016年12月15日に国民生活センターが、アダルトサイトの利用料請求でトラブルに巻き込まれた人をターゲットとして営業し、無理な調査を勧めるという内容の二重被害的な探偵トラブルが急増していると発表しているのは、2016年12月に当ブログでも紹介していたのだが、未だに被害者は増え続けていたということだろう。
※『【注意】アダルトサイト返金を装う探偵業者』の記事はこちらからご覧ください。
※『アダルトサイト解決うたう探偵被害5年間で20倍』の記事はこちらからご覧ください。
非現実的なトラブルに巻き込まれてしまったアダルトサイトのワンクリック詐欺被害者は、家族や会社など誰にも知られずに自分で解決したいという願望が強いのは言うまでもないだろう。
そしてインターネット検索エンジンで「消費者センター」「アダルトサイト被害対策」などのキーワードを入れて検索した結果、「検索連動型広告」で上位表示されていた悪質な探偵業者のサイトを「消費者センター」や「無料法律相談」などの窓口であると勘違いしたままクリックし、二重被害の罠にはまってしまうという最悪な結末となった。
アダルトサイトワンクリック詐欺被害の解決方法
誰にでもできる方法なのだが、アダルトサイトのワンクリック詐欺トラブルのほとんどは無視をすればそのままフェードアウトしていくことが多い。
しかし、どこの誰かも分からない不明なアダルトサイトや債権回収業者などから高額な請求をされているという非現実の世界に巻き込まれてしまうと、「このままでは何か危害を加えられてしまうのではないだろうか・・・」などと、不安が付きまとい精神的にも非常に辛い日々となってしまうだろう。
実際に利用した覚えがない時は、下記を参考にしてもらいたい。
1.しばらく無視をする。
2.相手側のメールアドレス・SNSアカウントなどをブロックする。
3.自分のメールアドレス・SNSアカウントなどを変更する。
4.国民生活センター(消費者センター)へ電話・メールで相談する。
アダルトサイトのワンクリック詐欺行為はこれだけでフェードアウトや解決する可能性は非常に高いのだ。
検索エンジン「検索連動型広告詐欺」の対策
どんなことでも調べられる便利なインターネットが身近にある世界。
時にはキーワードに連動した検索結果の上位に「検索連動型広告」が邪魔をして表示されるということもある。
検索エンジンで調べたいキーワードを入れて検索した際、上位3~4件に表示された「検索連動型広告」を間違ってクリックしてしまい、関連性の低いサイトへ飛んでしまったという経験はインターネットを利用する人なら誰でもあることだろう。
この「検索連動型広告」を回避するには、タイトルをクリックする前にサイト脇に「広告」という文字が表示されているかを確認しなければ、今後も同様の詐欺被害者が増加していくだろう。
そこでこの2点だけは覚えて欲しい。
◎ 自分がクリックするサイトが広告か否かを目視で判断すること!
× 必ずしも検索したキーワードの最上位が関連するサイトではない!
「検索連動型広告」で二重詐欺などの最悪の結末とならないように、アクセスする前にそのサイトが自分が知りたい情報と関連しているのかを目視確認していかなければならないだろう。
車両・バイクの運転もインターネットもアナログな目視確認が重要なんですよ!!