千葉県長生郡一宮町が東京五輪サーフィン会場
2020年の東京オリンピックで初めて行われるサーフィンの会場に、千葉県長生郡一宮町の「釣ケ崎海岸」が決定しているのだが、マリンスポーツなどやらない人にはピンとこない場所かもしれないのでご紹介したいと思う。
「釣ケ崎海岸」のある千葉県長生郡一宮町は九十九里浜の最南端に位置する人口約1万2500人の小さな町だ。
神奈川県の「湘南」や「江の島」などに比べると知名度は低いかもしれないのだが、昔から四季を問わずコンスタントに波が高いため、サーフィン・ボディーボード・ジェットスキーなどのマリンスポーツが盛んな地域で、サーファーには人気のスポットである。
特に東京オリンピックの会場となっている「釣ケ崎海岸」入口に面する県道30号線沿いと、国道128号線沿い「東浪見」交差点の先に所在する「太東海水浴場」前まで、多数のサーフショップが点在しており、サーフィンというマリンスポーツの人気の高さが垣間見える。
これだけ多くのサーフショップが密集して点在している場所も日本国内では非常に珍しいのではないだろうか。
「釣ケ崎海岸」で開催されたサーフィンの国際大会
サーファー達は「釣ケ崎海岸」を通称「志田下」と呼んでおり、サーフィン上級者にはお馴染みの場所である。
また、「志田下」付近は、多くのTOPプロサーファー達が幼少期からサーフィンをやっている聖地のようなポイントでもあるのだ。
この「釣ヶ崎海岸」の「志田下」では2016年・2017年と日本最大級のサーフイベントとなる『WSL-QS6000(GOTCHA ICHINOMIYA CHIBA OPEN)』が開催された。
WSLクオリファイシリーズ(QS)のなかで2番目に高いグレードであるQS6,000が日本で開催され、世界のトッププロサーファーが集まり、技を競い合った。
地元の大原洋人、五十嵐カノアらの日本人選手の活躍も目立っていた。
「Ichinomiya Chiba Open」3日目のコンテストスケジュール終了後に会場である「志田下」の日没前セッションを空撮した動画がYouTubeに投稿されていたのでご覧いただこう。
また、「志田下」は1995年に「第23回丸井プロサーフィン世界選手権大会」、1996年に「第23回丸井プロサーフィン世界選手権大会」が開催された場所でもあるので、興味がある方は下記の『2020年東京五輪サーフィン開催場所は?』をご覧いただきたい。
「釣ケ崎海岸」付近には多数のサーフスポットが点在
そして千葉県長生郡一宮町の「釣ケ崎海岸」付近には「志田下」以外にも、多数のサーフスポットが点在しているのでご紹介しよう。
下記の※は晴天時で通常の波の高さである場合のおおよそのスキルとして表記したものだ。
台風前後やうねりの高い天候の時は、潮の流れが速くなり、波も通常時より高くなるので初心者はサーフィンなどのマリンスポーツは控えた方がいい。
また、経験のある中級者であっても上級者レベルまで波の高さが上がる可能性もあるので注意は必要だろう。
リアルタイムのサーフィン波情報ならこちらのWEBサイトをご覧ください。
http://www.bcm-surfpatrol.com/
千葉県長生郡一宮町エリア
①一宮海水浴場にある「一宮ポイント」
※初心者~中級者
②一宮海水浴場と東浪見海水浴場の間にある「サンライズポイント」
※中級者~上級者(プロ多数)
③東浪見海水浴場にある「東浪見ポイント」
※上級者(プロ多数)
④釣ケ崎海岸にある「志田下ポイント」
※上級者(プロ多数)
千葉県いすみ市岬町エリア
④太東海水浴場にある「太東ポイント」
※初心者~中級者
②夷隅川河口にある「夷隅「河口)ポイント」
※上級者(プロ多数)
③三軒屋海岸にある「夷隅ポイント」
※上級者(プロ多数)
④大原海水浴場にある「大原ポイント」
※初級者~中級者
これだけのサーフスポットが点在していれば、サーファーが多いのも納得ではないだろうか。
7月の第3月曜日と定められているため、2017年は7月17日が「海の日」となるのだが、7月~8月はサーファー以外にも海水浴場へ訪れる観光客が非常に多くなる時期なので、サーフスポット付近でも混雑が予想されるだろう。
都心部や地方からのサーフィン移住者が多い
千葉県長生郡一宮町には、サーフィンをするために年間60万人ほどのサーファーが訪れている。
そんな、サーファー達の中にはサーフィンに魅了されて千葉県長生郡一宮町に移住するなんて人も多い。
サーフィン中心の生活をするために仕事を辞めて引っ越してきたサーファー
毎日サーフィンをしたいので2時間かけて電車で都心まで通勤するサーファー
千葉県長生郡一宮町では『一宮をサーフィンの聖地に!』という気持ちで、そんなサーファー達を支援するべく、サーファーを優遇する賃貸物件なども非常に豊富なのだ。
総合戦略としては「一宮町まち・ひと・しごと創生総合戦略」及び「人口ビジョン」を策定し、『一宮版サーフォノミクス』を掲げている。
その取組みの一貫として、「サーフタウン千葉県長生郡一宮町」のブランドづくりを推進するべく、どんな町で今後どのようなまちづくりを目指すのかを表明するステートメントとロゴマークを制作。
また、千葉県長生郡一宮町の魅力を広く発信することを目的としたWEBサイトも開設しており、すべての町民が一体となり町全体が活性化していくようなコンテンツや情報を、順次拡充していく予定だという。
海水浴・サーフィンにも最低限のマナーがある
この時期は多数のサーファーが千葉県のサーフスポットに訪れるのだが、これだけは絶対に守ってもらいたいということをお伝えしようと思う。
その守ってもらいたいこととは「自分で持ち込んだ物は、例えゴミであっても海岸に捨てて帰らないこと」なのだ。
今、瞬時に「そんなの当たり前だろ」って思ってくれた方は、マナーがある方だと思うので本当に感謝します。
しかし、「ゴミなんだから海岸に置いていってもいいんじゃない」って思った人は、今よりもう少しだけ海岸に関する環境問題などを考えてもらえると嬉しい。
どんなに綺麗な海岸も、多数の海水浴客やサーファーが訪れる夏以降はゴミが散乱しているからだ。
一番多いのは、タバコの吸殻やペットボトルなどの小さなものだが、時には海水浴やバーベキューなどに使用した椅子・机・クーラーボックス・発泡スチロール・木炭などの大きなものまで見受けられることがある。
夏の遺産とも思えるこれら大小のゴミは、地元を愛して「海岸を綺麗に保とう」と考えるローカルサーファーや町の人達がボランティアで定期的に手作業で清掃しているのはご存知だろうか。
「自分かが汚したら、他の誰かが掃除しなければならない」のは当然なのだから、これからは1人1人が海岸を利用する際、最低限のマナーを守ってもらえたら本当に嬉しい。
もうすぐ梅雨も明けて夏本番となる。
今年からはマナーを守って海水浴やマリンスポーツなどで思いっきり夏の海を満喫してもらいたいと思っているエルでした。