やはりマイナンバーを悪用した詐欺が発生
前回の記事「広島県税事務所の職員が探偵に情報漏えい」でも、マイナンバー制度と個人情報についてお話したのだが、早速マイナンバーを悪用する詐欺事件が発生してしまった。
この詐欺が起こったのは、房総半島南部に位置する千葉県いすみ市岬町。
容疑者は、「現金を取ったのは間違いないが、見知らぬ男に脅されてやった」と話しているというのだが、現実的ではないため単独犯である可能性は高いのではないだろうか。
２０１５年１０月２６日 産経ニュース
マイナンバーかたり詐欺 千葉県警、無職女を逮捕
千葉県警いすみ署は２５日、マイナンバーの登録に金が掛かるとうそを言い、男性（７９）から現金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、千葉県いすみ市岬町中滝、自称無職のＩ容疑者（３７）を逮捕した。
逮捕容疑は２４日午前１１時半ごろ、同市の男性宅で「市役所から来た。マイナンバーカードの登録にお金が掛かるので、１万２千円徴収したい」と言い、現金１万２千円をだまし取った疑い。
いすみ署によると、不審に思った男性がその後、警察に相談した。市内を巡回中の警察官が２５日、男性から聞いた身体的特徴と似ているＩ容疑者を見つけた。Ｉ容疑者は「現金を取ったのは間違いないが、見知らぬ男に脅されてやった」と話しているという。
これから多発するであろうマイナンバートラブル
今回は、「マイナンバー制度」をしっかりと理解していないことにつけ込んだ詐欺事件だった。
２０１６年１月から開始される「マイナンバー制度」では開始前から、「なりすまし犯罪」を懸念する声が多く、今回の詐欺事件も起こるべくして起こったとも言える。
今後も、マイナンバー関連の詐欺やトラブルなどが多発する可能性は非常に高いものと推察されるのだ。
例えば、マイナンバー先進国のアメリカなどでは、婚姻・銀行口座・クレジットカードなどで被害に遭っている人もいるという。
これだけ騒がれてしまうと、今までに「振り込め詐欺」などで成功した詐欺集団達は、「マイナンバー制度」を詐欺に利用しない訳がないことは安易に想像がつく。
最大のメリットとしては、「振り込め詐欺」で利用した顧客リストをそのまま「マイナンバー詐欺」に利用できるという点があるからだ。
マイナンバー関連の詐欺に注意して欲しい人は？
下記のような人は、「マイナンバー詐欺」の電話がある可能性が高いので十分に注意してもらいたい。
- 子供と離れて暮らす高齢者
- 今までに「振り込め詐欺」の電話があった人
- 今までに「振り込め詐欺」の被害にあった人
- 数件から借り入れをしている多重債務者
「マイナンバー詐欺」についての防止策は？
一番良い方法は、掛ってきた電話では対応せずに「必ず最寄りの役所へ電話で問い合わせる」ということ！
次に良いのは、とにかく信頼できる「知人や家族に相談する」ということ！
この２点を実行するだけでも、かなりの確率で「マイナンバー詐欺」などを未然に防ぐことはできる。
役所職員など、第三者の意見を聞いて冷静さを保って正常な判断をすることが非常に重要なのだ。
今後はもっと急増するであろう「マイナンバー関連詐欺」。
いつあなたの身に降りかかってもおかしくないのが現実なので、日頃から十分な注意が必要だろう。
