探偵の専門用語や隠語をご紹介
どんな業界にも、専門的な用語や隠語などは多数ありますよね。
もちろん探偵業界にも専門用語や隠語の類は多数存在します。
そこで本日は、前回に引き続き「探偵用語のいろは其の弐」として新たな探偵用語をご紹介したいと思います。
※「探偵用語のいろは」シリーズはこちらをご覧ください。




探偵業界の専門用語と隠語の違い
本格的な調査に出る前に尾行・張り込み・聞き込み・撮影など、調査員としての基本スキルを習得する事はもちろんのこと、専門的な用語も覚えなければいざという時に調査員間でコミュニケーションが取れず、調査には関われません。
会話の内容に専門用語や隠語が含まれているため、初めて聞く人は意味を理解できません。
でも、専門用語や隠語ができた経緯として意味合いがあるのはご存知でしょうか?
まず専門用語からお伝えすると、短縮したり、略したりするのは業務において「使う人が使いやすい」という点が優先されているからなんです。
ずらっと長い正式名称より、短縮した専門用語の方が業務を行う際、非常に呼びやすいという理由で言葉に変化したようです。
隠語については専門用語とは少し違い、全く違う呼び名を採用することが多いです。
それは「直接他人に聞かれても理解できないこと」という点が重視されているため、専門用語のように短縮したり、略したりするのではなく、全く違う呼び名に変化したようです。
また、探偵業の専門用語や隠語には警察関係の専門用語や隠語が多数含まれています。
これは警察は刑事事件、探偵は民事事件について動くと考えてもらった方が解りやすいかもしれません。
それに、尾行・張り込み・聞き込みなど警察も探偵も似ている業務があるということも影響しているんですね。
探偵用語のいろは其の弐をご紹介
ここからはさらに応用的な探偵用語をご紹介していきます。
契約書類関連の探偵用語
調査契約書(ちょうさけいやくしょ)
「探偵業の業務適正化に関する法律」で定められており、探偵業者が探偵業務の契約を締結する際、必ずご依頼者様へ調査契約の詳細を記載した書類を交付することが義務付けられている。
この書面を発行しない探偵業者である場合、行政処分の対象となる。
重要事項説明書(じゅうようじこうせつめいしょ)
「探偵業の業務適正化に関する法律」で定められており、探偵業者が探偵業務の契約を締結する前に、必ずご依頼者様へ説明し、控えを渡すことが義務付けられている。
この書面を発行しない探偵業者である場合、行政処分の対象となる。
調査利用目的確認書(ちょうさりようもくてきかくにんしょ)
「探偵業の業務適正化に関する法律」で定められており、探偵業者が探偵業務の契約を締結する際、必ずご依頼者様から探偵業者へ調査内容に関して違法に利用しないという「誓約書」を記載してもらい、控えを渡すことが義務付けられている。
この書面を発行しない探偵業者である場合、行政処分の対象となる。
調査料金見積書(ちょうさりょうきんみつもりしょ)
「探偵業の業務適正化に関する法律」で定められており、探偵業者が探偵業務の契約を締結する前に、必ずご依頼者様へ調査金額のお見積書として合計金額を記載した書類を交付することが義務付けられている。
この書面を発行しない探偵業者である場合、行政処分の対象となる。
調査関連の探偵用語
ライトチェンジ(らいとちぇんじ)
夜間に車両で尾行中、対象者が乗車している車両に気付かれないよう、ヘッドライトやフォグランプの切り替えを行うこと。
ライト見え方を変化させて、追尾している車両を特定されずらいなどの視覚効果となる。
臨場(りんじょう)
調査対象となる現場へ出動すること。
現着(げんちゃく)
調査対象となる現場に到着すること。
タレコミ(たれこみ)
内通者・部外者などから情報提供を得ること。
言(げん)
目撃証言や聞き込み証言のこと。
現状(げんじょう)
現在進行形で起こっている物事のこと。
現場の状況などを説明する際に用いられる。
現認(げんにん)
現場で起こっている事柄を目で見て認識すること。
状況を説明する際に用いられる。
探偵業者によっては、黙認・目視などと呼ばれることもある。
ヤサ
調査対象となる人物の居住先となる場所のこと。
宅割り(たくわり)
調査対象となる人物を尾行をして居住先を特定すること。
浮気相手の調査や、債務で逃げている相手に対しての調査などに多い。
探偵業者によっては、ヤサ尾け・ヤサ割りなどと呼ばれることがある。
勤割り(きんわり)
調査対象となる人物を尾行をして勤務先を特定すること。
信用調査や、債務で逃げている相手に対しての調査などに多い。
探偵業者によっては、勤務割りなどと呼ばれることもある。
面取り(めんとり)
調査対象者となる人物の顔を確認すること。
新顔(あらめん)
調査中に初めて見る人物のこと。
襟取り(えりとり)
調査対象者となる人物の自宅周辺や立寄り先などの状況を事前に調べておくこと。
飛び込み(とびこみ)
調査対象者となる人物の自宅や会社に身分を隠して訪問すること。
裏取り(うらとり)
推測や憶測ではなく、確実な証言や証拠を収集すること。
探偵業者によっては、裏付けや裏を取るなどと呼ばれることもある。
裏取調査
裏取りを目的とした調査のこと。
探偵業者によっては、裏付け調査やアリバイ調査などと呼ばれることもある。
洗う(あらう)
対象となる項目に対して調査すること。
または、一度行った調査で再度調査し直す場合などに用いられる。
足がつく(あしがつく)
確実な証言や証拠が確認できたこと。
探偵業者によっては、足などと呼ばれることもある。
シロ(しろ)
疑わしい人物だったが調査を行った結果、疑わしくない人物であると判断できたこと。
当初から疑わしい人物ではない場合、シロとは呼ばない。
クロ(くろ)
疑わしくない人物だったが調査を行った結果、対象人物であると判断できたこと。
当初から疑わしくない人物の場合、クロとは呼ばない。
あんこ(あんこ)
調査員として新人のこと。
イタチ(いたち)
動きが俊敏な人物のこと。
バグ(ばぐ)
盗聴器を表す隠語のこと。
バグ(Bug)とは英語で「虫」を意味する。
いつまにか建物内へ侵入している小さな虫という意味で名付けられた。
探偵業者によっては、虫と呼ばれることもある。
デジタル盗聴(でじたるとうちょう)
電波形式がデジタル電波を使用する携帯電話を盗聴器に改造して盗聴を行う手法のこと。
デジタル電波の「デジタル」をとってそう呼ばれている。
基本的な使用方法は携帯電話と一緒で、電波が圏外でなければ世界中どこからでも設置した場所を盗聴することが可能となる。
遠距離の盗聴なども、デジタル盗聴や遠距離盗聴と呼ばれる場合が多い。
電話盗聴(でんわとうちょう)
自宅の固定電話のみを盗聴することに特化した手法のこと。
家屋内のある対象世帯の電話配線に盗聴器を接続することで、通話した時の会話の内容を盗聴する。
マンション・アパートなどでも、家屋建物の外壁部の保安器に盗聴器を仕掛けられるため、宅内に侵入しなくても通話内容を盗聴できる。
※コードレス電話機の子機で会話した内容が漏れている場合はここに該当しない。理由としては、親機と子機の間でやり取りしている電波を傍受されているだけなので子機をしようせず、親機のみを使用すれば防げるからだ。
レーザー盗聴(れーざーとうちょう)
盗聴したい建物の窓ガラスにレーザー光線を照射し、反射したレーザーを受信して音声へ変換することで室内での会話を聴くという盗聴手法のこと。
室内の音声が微弱な振動となって窓ガラスに伝わり、レーザー光線に振動を与えるという仕組みなのだが、機材が高額であり、立地条件などに影響を受けやすいため、実用的に使用されることはほとんど無い。
インフィニティ盗聴(いんふぃにてぃとうちょう)
自宅や会社などに設置されている固定電話回線に特殊な盗聴器を取り付ける手法のこと。
使用中のみ盗聴される電話盗聴器とは別で、取り付けられた電話機は永遠と通話状態となり、受話器から会話内容も漏れ続ける。
現在、一般的に販売されておらず、入所も困難となる。
皆さんどうでしたか?
本日は「探偵用語のいろは其の弐」としていますので、初めて知る言葉が多かったのではないでしょうか。
次回も、少しずつですが複雑な言葉などをご紹介していきたいと考えています。
それまで楽しみにしていてくださいね。