専門用語や隠語の習得は探偵としての登竜門
皆さんのお仕事は何ですか?
どんな業界にも、専門的な用語や隠語などは多数ありますよね。
もちろん探偵業界にも専門用語や隠語の類は多数存在します。
そこで本日は、「探偵用語のいろは基本編」として基本的な探偵用語をご紹介したいと思います。
探偵業界の専門用語と隠語の違い
本格的な調査に出る前に尾行・張り込み・聞き込み・撮影など、調査員としての基本スキルを習得する事はもちろんのこと、専門的な用語も覚えなければいざという時に調査員間でコミュニケーションが取れず、調査には関われません。
会話の内容に専門用語や隠語が含まれているため、初めて聞く人は意味を理解できません。
でも、専門用語や隠語ができた経緯として意味合いがあるのはご存知でしょうか?
まず専門用語からお伝えすると、短縮したり、略したりするのは業務において「使う人が使いやすい」という点が優先されているからなんです。
ずらっと長い正式名称より、短縮した専門用語の方が業務を行う際、非常に呼びやすいという理由で言葉に変化したようです。
隠語については専門用語とは少し違い、全く違う呼び名を採用することが多いです。
それは「直接他人に聞かれても理解できないこと」という点が重視されているため、専門用語のように短縮したり、略したりするのではなく、全く違う呼び名に変化したようです。
また、探偵業の専門用語や隠語には警察関係の専門用語や隠語が多数含まれています。
これは警察は刑事事件、探偵は民事事件について動くと考えてもらった方が解りやすいかもしれません。
それに、尾行・張り込み・聞き込みなど警察も探偵も似ている業務があるということも影響しているんですね。
基本的な探偵用語をご紹介
ここからは基本的な探偵用語をご紹介していきます。
基礎となる探偵用語
探偵(たんてい)
民事に関わる調査依頼を受けて、情報を収集する者のこと。
英語ではdetective(ディテクティブ)と言う。
調査員(ちょうさいん)
民事に関わる調査依頼を受けて、情報を収集するために尾行・張り込み・聞き込みなどの各種調査を行う者のこと。
探偵業者によっては、エージェント名や番号で呼ばれることもあります。
依頼者(いらいしゃ)
探偵事務所に調査を依頼した人のこと。
探偵業者によっては、クライアントと呼ぶこともあります。
対象者(たいしょうしゃ)
調査の対象となる人物のこと。
探偵業者によっては、ターゲット(だーげっと)・対(たい)・マル対(まるたい)・マル被(まるひ)・被調査者(ひちょうさしゃ)と呼ぶこともあります。
2対(にたい)
対象となる人物と関係のある人物のこと。
探偵業者によっては、ターゲット2(たーげっと2)・第2対象者(だい2たいしょうしゃ)・マル2(まる2)・マル被2(まるひ2)・被調査者2(ひちょうさしゃ2)など様々な名称で呼ばれています。
愛人(あいじん)
対象となる人物が既婚者の場合、浮気相手となる人物のこと。
現場(げんじょう)
調査となる現場のこと。
基礎となる調査項目
尾行(びこう)
対象となる人物の行動を追うこと。
張り込み(はりこみ)
対象となる人物を調査するため、特定の場所に留まって監視すること。
聞き込み(ききこみ)
対象となる人物の関係先に聞き取りを行いながら情報を得ること。
失尾(しつび)
尾行中に探偵側の過失で対象を見失ってしまうこと。
撒く(まく)
探偵の存在を捜している場合、発覚せずに姿を隠すこと。
また、尾行中に探偵の存在が対象に発覚し、故意に逃げられた時などは「撒かれた」と言う。
尺(しゃく)
尾行中の対象との距離感のこと。
対象が非常に警戒している場合、過剰な追尾は調査の発覚が考えられる場合などは、探偵の判断で一時尾行を解く意味で「尺を取った」と言う。
また、尾行中に対象との距離を置く場合なども「尺を取る」と言う。
ガーボロジー(がーぼろじー)
対象の出したゴミから情報を収集すること。
英語ではgarbology(がーぼろじー)と言う。
素行調査(そこうちょうさ)
対象者の行動全般を記録する調査のことで、外出・帰宅・立ち寄り先・接触した人物などを明確に記録する調査。
探偵業者によっては、行動調査と呼ぶこともあります。
浮気調査(うわきちょうさ)
調査手法は素行調査と同じなのですが、男女関係が絡ものは浮気調査となる。
探偵業者によっては、不倫調査と呼ぶこともあります。
また、愛人の有無について確認する調査を愛人調査と呼ぶ場合もあります。
行方調査(ゆくえちょうさ)
連絡の取れなくなった対象人物を捜すちょうさのことで人探し(ひとさがし)とも言う。
また、探偵業者によっては、家出した人物を探す調査のことを家出調査(いえでちょうさ)・家出人調査(いえでにんちょうさ)・失踪人調査(しっそうにんちょうさ)などと呼ぶこともあります。
移転先調査(いてんさきちょうさ)
行方調査と似ているのだが、対象となる人物の転居先を特定する調査のこと。
夜逃げ先の住所を突き止める調査などもここに属すが、一般的には行方調査と同様になる。
所在調査(しょざいちょうさ)
対象となる人物の現在の住所を特定する調査のこと。
一般的には、行方調査と同様になる。
信用調査(しんようちょうさ)
会社・企業の業績や経営状況などについて調べること。
探偵業者によっては、企業調査(きぎょうちょうさ)・企業信用調査(きぎょうしんようちょうさ)などと呼ぶこともあります。
結婚調査(けっこんちょうさ)
対象となる人物の結婚相手について素性などを調べること。
探偵業者によっては、寿調査(ことぶきちょうさ)・結婚信用調査(けっこんしんようちょうさ)などと呼ぶこともあります。
いじめ調査(いじめちょうさ)
対象となる子供が学校でいじめられている場合、いじめている相手を特定したり、いじめの証拠や原因などを調べる調査のこと。
嫌がらせ調査(いやがらせちょうさ)
特定または複数の嫌がらせを受けている場合、嫌がらせを行う人物を特定したり、嫌がらせの証拠を収集したりする調査のこと。
ストーカー調査(すとーかーちょうさ)
嫌がらせ調査と似ているのだが、対象となる人物へのつきまとい行為や嫌がらせ行為などを立証する調査のこと。
盗聴器発見調査(とうちょうきはっけんちょうさ)
盗聴を行う盗聴器が仕掛けられていないか、特定の場所に対して盗聴周波数の確認を行いながら有無や設置場所の特定をする調査のこと。
盗撮器発見調査(とうさつきはっけんちょうさ)
盗撮を行う盗撮器が仕掛けられていないか、特定の場所に対して盗撮周波数の確認を行いながら有無や設置場所の特定をする調査のこと。
交通事故調査(こうつうじこちょうさ)
被害の状況を把握して聞き込みなどを行いながら事故の概要を明確にすること。
ナンバー調査(なんばーちょうさ)
車やバイクのナンバープレート番号から所有者を特定する調査のこと。
10年程前までは、陸運支局へ申請の届出をすることで、車検証に登録されている情報を得られた。
しかし、現在は個人情報や不正利用などの観点から、登録ナンバー以外に車体番号なども必要となっている。
DNA鑑定(でぃーえぬえーかんてい)
科学的な手法を用いてDNAを鑑定すること。
指紋鑑定(しもんかんてい)
科学的な手法を用いて指紋を鑑定すること。
筆跡鑑定(ひっせきかんてい)
科学的な手法を用いて筆跡を鑑定すること。
声紋鑑定(せいもんかんてい)
電子的な手法を用いてDNAを鑑定すること。
科学調査(かがくちょうさ)
DNA、指紋、筆跡、声紋などの鑑定、科学調査と呼ぶ。
皆さんどうでしたか?
本日は「探偵用語のいろは基本編」としていますので、ご存知な言葉も多かったのではないでしょうか。
次回からは、もう少し複雑な言葉などもご紹介していきたいと考えています。
それまで楽しみにしていてくださいね。
※「探偵用語のいろは」シリーズはこちらをご覧ください。



